| 第一章 出版界における『ジャンプ』 第一節 マンガの台頭 我が国日本では、「マンガ=子どもの読み物」といった固定観念が、長い間の通説になっていた。なるほど、ヒーローが必殺技を駆使して悪を倒したり、ナンセンスなギャグで下品な笑いを期待するマンガは、当然大人の読み物ではなく、現実と夢の区別がつかない、子どもの専用の情報媒体かもしれない。そうであったはずなのだ。しかし、なぜかちまたでは溢れんばかりのマンガが存在している。これらはすべて、子どものための読み物として存在しているのであろうか。 どうも現実は違うようである。今、私は電車に乗っていると想像してもらいたい。私の前に座っている人、横に立っている人、ドア付近にいる人。3人ともマンガを読んでいるのだが、ネクタイをしているし、頭は薄くなっているし、というわけで、どうしても私の目にはこの人たちが子どもには見えず、立派な社会人に見えるのである。 くどい書き方をしてしまったが、それくらい現代日本ではマンガが幅を利かせるようになり、「マンガ=子どもの読み物」という図式が成り立たなくなっているということである。 ではそれを証明する数値的なデータを見てみようと思う。 表1 マンガ雑誌の台頭
毎日新聞社『読書世論調査』1981、1991年度版より抽出、作成 表1は1981年(昭和56年)と1991年(平成3年)における、人気週刊誌30タイトルからマンガ雑誌だけを抜粋したものである。 タイトルの後ろにある「↑」は10年間でランクが上がったもの、「↓」は下がったもの、「!」は10年の間に登場したもの示している。10年の間にタイトルの絶対数が増えているばかりか、『少年サンデー』(以下『サンデー』)以外のものは、ランクが上がっているのである。 人気週刊誌30冊中、マンガ雑誌は8冊。パーセンテージでみても26.7%と、まさに4分の1を占めているのだ。その中でも『ジャンプ』の人気は凄まじく、1986年(昭和61年)からは、必ず3位以内にランクインし続けている。 |
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